大学受験のころ、アメリカとの戦争が始まりそうな世界情勢となったそうです。いずれ戦争が始まれば英語は「敵国語」となり、受験科目から外れるだろうと星新一は予想し、必須科目だけに集中し、一切、英語の勉強をしなかったといいます。
予想が当たって、東大には合格したものの、英語は苦手で、作家デビューしてから随分苦労しました。
恩師で作家の今日泊亜蘭氏の自宅へ赴き、毎日、英語の特訓を受けたそうです。
そのためかどうか、海外SF作品を翻訳する際には、その「下訳者」がいたといいます。
さらにその訳を星新一の言葉と文体で仕上げたということだろうか。
もちろん、全てではなく、星新一が最初から翻訳したものもあります。
頑張ったんですね。
この当時、日本唯一のSF専門誌SFマガジンには、頻繁に外国のSF作家の作品が掲載されました。
というより、第6号あたりまでは、日本人作家のSF作品は掲載されなかったと記憶しています。
そのための翻訳を依頼されたのだと思うのですが、それは星新一の知名度もあるし、自作もさることながら外国SFの翻訳作品も求められていた、という当時の状況もあるのかな?
先ずは、世界の一流作品を掲載することによって、SFを理解してもらう、という考えだったのだろうか。
音楽の世界でも、日本にロックが輸入された当初、「アメリカのロックを英語で歌うことが正統で、日本語で歌うロックなどロックではない」と大御所達は、若者たちのロック音楽を全否定しました。日本語では、ロックのスピードに乗れないからと。
これが有名な「日本語ロック論争」
で、新興勢力の「ハッピーエンド」に内田裕也たち過激なロッカーたちが、論争を挑んだ事件です。
挑まれた被害者?の松本隆、大瀧詠一、細野晴臣等は随分迷惑だったそうです。
でも、彼らの努力があって、80年代には、佐野元春や桑田佳祐らの若い才能による日本語をロックのリズムに乗せた優れた曲がヒットし大ブームを起こしました。
まぁ、それと今回のSFの件はちょっと違いますね。蛇足でした。
「さあ、気ちがいになりなさい」
フレデリック・ブラウンの短編集です。
この本の思い出話ですが、昔、2週間ほど病院に入院したことがありました。
暇なので枕元にこの本を置いて読んでいました。ある時、看護師さんがこの本のタイトルを見て「気ちがいになるんですか…」とボソリと呟きました。
タイトルが「変」だったんだね。
「アシモフの雑学コレクション」
こちらは、多方面にわたる蘊蓄の羅列です。知的好奇心を刺激してくれます。
普通はあまり取りあげないような事柄について、面白く、易しく取り上げています。
アシモフ博士は流石に物知りです。
でも、この本の読みやすさは星新一のなせる技だと僕は確信しています。
気象の項目に、
「太陽からの熱が2%ほど減った状態が続くとすべての海が氷となる」
というものがありました。
ということは、太陽の活動がほんの少し活発になるだけで地球は暑くなるといえる。
二酸化炭素が気候変動の元凶のように言われているが、実は太陽の影響が大きいのではないのだろうか。