ホシヅル 星新一

ホシヅル(星鶴)
これは、星新一が生みの親の、おかしな生き物です。

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この動物は、「未来における、進化した鶴の姿です」

うまいものを食いたがるので、口が発達してくる。交通が便利になり、歩かなくなるので足が退化した。したがって、運動不足により、太ってしまったのだ。

重くなり、もちろん飛ぶことは不可能。しかし、なぜ飛ぶ必要がある。じっとしていても、事件はすべてテレビが見せてくれる。テレビの見すぎで、目が大きくなってきた。

雑然たる情報がむやみと入ってくるので、頭だって大きくなるさ。大きくて何かが詰まっているといっても、それは頭がいいというのと別である。

この鶴は行動しない。どう動いていいのかわからないのだし、動こうにも飛べもしないのだ。ただ沈黙している。

「アサー」と叫ぶ才能もない。食ってテレビを見るだけのこと。
生きてたってしょうがないだろうが、あいにくと鶴は千年の寿命を持ち、そうあっさりとは死なない。

そのくせ、体内には有害物質が蓄積されており、食用にならぬとくる。この鶴の存在の理由はなんであろうか。

と書くともっともらしいが、すべてあとでくっつけた理屈である。

       「きまぐれ暦」より

(注)文中の「アサー」は、今となっては知らない方も多いかと思いますが、谷岡ヤスジ先生のギャグマンガにでてくる変な鳥?が「アサー」と言うんです。
ただ「アサー」と言うだけだったかな?「ヒルーとヨルー」も言うのか。
子供の頃はこのマンガをよく読んでたなぁ…懐かしいなぁ…
つまり、谷岡ヤスジ先生のキャラクターの変な鳥のように「アサー」さえも言わない「ホシヅル」と、星先生は言いたかったのだろう。
解説するのも変だけど。

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星先生はサインが苦手で、苦し紛れに生み出したもの、だそうで、つまりは絵があまり得意ではないのだろう。これでも一生懸命書いたのだ。

『これは何の鳥だ?と聞かれるたびに「鶴だ」と答えていたら、いつのまにかSF仲間によって「星鶴」と命名されていた』とのこと。 

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「アサー」の変な鳥よりは、ずっとかわいいではないか!

星鶴