この作品集は、星新一が亡くなった1997年(平成9年)から16年後に刊行されました。
二女の星マリナ氏とSF作家の高井信氏とで、星新一の作品リストの作成を切っ掛けに、未収録作品を集めた本を出したい、との話しが進んだそうです。
この作品展は文庫オリジナルです。
2013年(平成25年)初版
文庫本の最後には、全作品読破認定証があります。
ここにある作品がこの時点での星新一全作品です。
没後、26年たってもまだまだ読んでいない作品があることはファンとしては幸せですね。
未収録作品の発掘には、とても苦労があったそうです。
既に全集に収録した作品だけでも千編を超えているため、未収録と思える作品を発見しても、その検証作業に時間がかかってしまうと言います。
タイトルが同じでも、違う作品だったり、作品集に収録する際にタイトルを変えていたため、新たな作品ではなかったり…
また、文字数の少ないショートショートなので、当時は企業で発行する商業誌や週刊誌にも多く掲載されていたため、探すのも大変らしい。
星新一研究のためにはもちろん必要なことであるし、僕らファンにしてみても、未発表作品は魅力的です。
ただ、作品のクオリテイに強いこだわりがあった星先生を思えば、未発表作品を世に出すことは如何なものだろうか。
未発表作品には、作品としての完成度が果たして、星新一の基準に達していたのか。
などと余計なことを考えてしまいます。