動画の中では、星新一が自らの『禁』を解いて、父、星一の生涯を執筆したとあります。
これは誤りではないのか。
星新一が作品を書く際、自分に課していた制約は、次の3点です。
時事的なことや身辺雑事のことまで書けなかったら、ノンフィクションは成り立ちません。
「人民は弱し 官吏は強し」
この作品は、父星一の一代記です。
「明治、父、アメリカ」
こちらは、若き星一を描いています。
売れなかったとありますが、そんなことはないだろう。
今でも絶版にならずに、書店に行けば手に入れることができます。
すばらしい作品で、版を重ねて売れ続けています。
星新一の長編小説は、短編とは違う味があります。
描写にゆとりがあります。
人物や情景の描き方がきめ細やかで上品です。
短編だけしか読んだことのない方には、是非ともお勧めします。
原稿枚数に制限が無いためか、結果それがゆとりになっているのだと思います。