僕らが描いた21世紀。
スーパージェッターが流星号を呼ぶように、携帯用無線機でどこでも誰とでも電話ができる。小さな自家用飛行機でどこへでも行ける。
美味しいものが何処でも簡単に手に入る。
今、令和の時代にあって、これらの夢はことごとく現実になりつつあります。
今は、暗い暗黒な事象を除けばとても良い時代です。
余談ですが、トヨタのプリウスはどこか流星号に似てますね。買わないけど。
処女短編集「ボッコちゃん」に掲載された本作品は、ショートショートの見本のような見事な結末で、苦笑いさせられます。
最後の最後の場面まで結末を悟られないよう物語を形づくる。
これが作家の資質であり、力量です。
朝の目覚めから服の着替え、食事、会社への出勤、退勤、入浴から就寝まで。
食事を作り、食器を洗い、洗濯もしてくれる。これじゃ世のご婦人方は旦那さん不要だね。
このようにすべてがオートメーション化された日常、そう、この挿絵のようなゆきとどいた生活。憧れの生活。
すべてのことを機械が手助けしてくれ、会社へも勝手に運んでくれる。
大好きなズル休みもできない便利な世の中。