それにひたっているあいだ仕事のことを忘れることは。つまり趣味はなんですかと時たま聞かれると言い、その趣味について星新一は思いを巡らせています。
作家は、読書を趣味と答えるわけにはいかない。仕事の一部だ。
外国映画などの映画鑑賞も小説のヒントにならないかと思ってしまう。
酒を飲むのは習慣で、スポーツはあまりにも健康的過ぎて、頭のモヤモヤが消えて小説が書けなくなる心配がある。
旅行は楽しい。私は小説を自分の書斎でしか書いたことがないから仕事を忘れられる。これは楽しい。
星新一は小説を中心にすべてを語ります。
夫人は、星新一が冗談を言ったのを聞いたことが無いといいます。家では必要なこと以外はあまり話さなかったらしい。あんなに毒舌でキチガイじみた発想の話ばかりのイメージの星新一ですが家族の前では別人のようです。
星新一と対照的なのが筒井康隆です。
ご存じのように、小説家、役者、クラリネット奏者、映画好き、漫画も描いたり、そして愛妻家です。星新一とは真逆の多趣味というか、才能の塊のような人です。作品の発想に影響するなどとは考えなかったみたいです。これは作風の違いからなのだろう。
だからどちらが上であるとか、凄いとか言うつもりはないけど、星新一は昔の文豪のイメージてあり、筒井康隆はマルチだなという印象です。その違いがおもしろいという話です。
作家星新一