星新一が、大阪でデビューまもない筒井康隆や小松左京たちと食事をした時の話です。
「そのレストランでカレーライスを注文し食べていた時のこと。筒井康隆が突然立ち上がり、予告もなしに汚い話をしゃべりはじめた。
極端でリアルで、延々と続いた。
文章にするのをはばかりたいところだが、これを作品に書いてしまった。
好奇心のある方はそれをお読みになるといい。食事をしながら読めたらえらいものだ。
ほかにお客がいたら、ただではすまなかっただろう…」(星新一)
というのがこの作品です。
是非カレーライスを食べながら読んでみましょう。生卵の白身も欲しいね。
1973年(昭和48年)文庫版発行
単行本は昭和46年発行
この本に掲載されていますのでぜひ。
結局、○便についての描写なら、まだ我慢できる。食べたことがないから。味も知らないし、口の中がどんななのか想像ができないし…
でも、淡壺から集めた淡をストローでチュルチュルと吸いこむ場面は、なまじ味を知っているだけに、リアルで耐えられなかった…
星新一の筒井康隆評はまだ続く。
「あの頃の筒井さんの作品はまじめだった。その後、次第にきちがいじみたものへと進化していった。
それと同時に、彼の酒癖もそれに応じて凄まじくなったかというと、そんなことはなく、二度とあんな状態を拝見したことがない。持てる狂気を作品に封じ込める術を手に入れたのだろう。それゆえ、現実の彼は狂気の抜け殻で、人あたりのいい、安心して飲める友人である…」(星新一)
世間には、ただの変わり者と芸術的狂気の違いもわからず、オカシな言動、姿かたちの勘違いな振る舞いを人前で披露してしまうアホがいる。美大などにいる。
お気の毒なことです。