筒井康隆はこう読め 平岡正明

このようなタイトルには「命令はやめてくれ…俺はそんな読み方するもんか」と言いたくなりますが、まあ、よろしい。
この著者の文章は面白く読めますが、ちょっと堅いんだよなぁ。

1981年(昭和56年)発行
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平岡正明氏には「山口百恵は菩薩である」「大山倍達を信じよ」など、大物カリスマ的人物を取り上げた論評が多いようです。

評論で思い出しました。
昔「筒井康隆」と大きく表紙にデザインしてあり、タイトルは忘れましたが、結局、筒井作品をこけおろした批判的評論集だったのですが、それを誤って購入してしまったことがあります。著者名も忘れたし、その本も腹が立ったので棄ててしまいました。
タイトルにあんなに大きく筒井康隆とあれば、おっちょこちょいな僕らは内容を見もしないで買ってしまいます。
悪質な詐欺商法的な販売手法に呆れたものです。
これには筒井氏自身も何かのエッセイで怒っていましたね。
あいつは誰だったのかと思い出そうとしましたが、思い出せません。思い出したくもないけどね。

好きな作家についてあれこれ書いてある本は、それが悪意的内容でない限り購入してしまいます。
それがファン心理です。
特に筒井康隆のようなジャンルも幅広く、実験的小説や目が飛び出すようなギャグ連載の小説など、僕などでは理解が及ばない作家であれば、なおさらのこと評論や解説は手にしたくなるものです。
過日、「老人ホームへの入居」の報が突然飛び込んできました。これにはショックでした。
ぼくら世代の最後のSF作家である「鬼才筒井康隆」が…老人ホームかぁ。
筒井氏は作風からは真逆ではないかと思えるほど愛妻家だなと、エッセイなどからは感じていましたが、妻といつも一緒にいたいからと入居を決意したらしい。
爪の垢を飲ませてもらわなきゃ。