この本は1961年7月発行とあります。
僕が生まれたのもこの年、この月です。それだけで嬉しいものです。古い書籍を手にすると、時々このような出会いがあります。
電子書籍にはない楽しみです。
ぜんぶ一冊ショートショート関連。
小説から評論、対談まで盛り沢山な一冊です。星新一にフレデリック・ブラウン、レイ・ブラッドベリィもいます。
星新一は、傑作「鏡」を含む5作品が掲載されています。
僕には垂涎の的というやつです。
今ではこのような本はもう期待できないなぁ。少し、変なデザインだけどね。
そして「鏡」というこの作品。
初期の作品に多い悪魔物です。
星作品の影響(真鍋博の絵)で、僕にとっての悪魔は「小さく細く頼りなく、甲高く小さな声で弱々しくしゃべる、臆病そうな」あのイメージです。
そしてこの作品には鍵となる悪魔の捕まえ方が出てきます。
僕がまだ独身の頃、一度やってみようかと思いながらも結局、本当に現れたら…と怖くてできなかった思い出があります。
星新一の世界は僕にとってはとてもリアルです。
(星新一展パンフより)
オマケですが、筒井康隆氏の実弟筒井俊隆氏の作品「相撲喪失」も掲載されています。
こんな所でこの作品に再会できたこともとても嬉しい。
筒井康隆氏の家族同人誌「NULL」に掲載されたショートショートです。
このように家族みんなで小説を書いて同人誌を作っていたんですね。
なんて家族だ!