超古代文明論 南山宏、高橋克彦

元SFマガジン編集長(二代目)の南山宏氏とミステリー作家の高橋克彦氏の共著です。

1997年初版
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「オーパーツが証す神々の存在」という副題。
SF好きな僕たちがまず第一に洗礼を受ける、” 現文明以前の太古に、想像を超える高度な科学を有し栄えた文明が存在した”というロマン、そのロマンを暗示する数々のオーパーツ。
そんなオーパーツを取り上げながらその可能性を論じています。

ご存知とは思いますが、オーパーツとは「それらが発見された場所や時代とはまったくそぐわない出土品や加工品のこと」を指すわけです。

1993年
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例を挙げると、錆びない鉄柱、遺跡から発見された白熱電球としか見えないレリーフ、そしてその筆頭に挙がるのはエジプトのピラミッド群。
その他多くの” そんなはずはない” と学者たちが頭を抱え込むような考古学的発見の品々。

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↓↓↓ どうみても電球だね。
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超古代文明を題材に書き上げた、グラハム・ハンコックの「神々の指紋」という著作があります。
本書の中でも取り上げられていますが、同じ物書きとして、” してやられた” 感があるのだろうか。

「神々の指紋」はノンフィクションといいながらも創作ですから、オーパーツという部品をあれこれつなぎ合わせて、あたかも真実であるかのような虚構の結論を導き出す手法で大成功をおさめています。

たくさん売れても虚構は虚構です。
「あれは嘘だ」と批判する人たちもいたでしょう。でも、虚構ですからね。嘘に決まってます。
ただ、それによって、ピラミッドなどの謎までも嘘であるかのような論評になるのは避けて欲しいと思います。

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僕にとってはそんな本よりも、あれこれ論じながら超古代に夢を馳せる本書の方が数段おもしろい。
夢がありロマンがある。いつの時代にか考古学的大発見により超古代の謎が解かれる日がくるかもしれない。

僕は、今の文明以前にもいくつかの高度な文明が” 生まれては滅び” を繰り返し、徐々に進化してきたのだと考えています。
これは、人間自身も「転生輪廻」の法則により生死の繰り返しの末、霊的な進化を成し遂げ、仏教で言うところの「仏国土」、理想郷の実現にむかっているという思想と同じ考えからきています。
だから僕は安易に宇宙人の力などとは思いたくない。

ムー、アトランティス、そして今の文明。今回も滅びの道を選び、後の文明から何と呼ばれるのか…

いや、もう破滅はゴメンだ。
今までの反省を踏まえて言わせてもらえるならば(もちろん想像の域を一歩もでませんが)、科学技術の発展には精神文化面の向上が伴わなければ、どこかで破綻するのではないだろうか。

昨今の事象を見渡しても、新型コロナ騒動、ワクチン騒動、メチャクチャなジェンダー問題など、自由な発言が制限されたり、炎上したりで、とてもじゃないがマトモな時代とは言えない。このまま破滅に向かうのではないか、などと心配してしまう程です。

とは言え、せっかくここまで発展してきた現文明です。今度こそは、理想郷にたどり着けますようにと願わずにはいられません。

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