百億の昼と千億の夜 光瀬龍

お釈迦様が亡くなった後、56億7千万年後に、衆生救済のためにこの世に現れるといわれているのが弥勒菩薩(マイトレイヤー)です。

この人間の感覚をはるかに超えた時間感覚はいったいなんなのだろう。
そんな遥かな未来に人間が存在しているのか。
仏教とは摩訶不思議な哲学です。

その弥勒菩薩を、全く新しい解釈で作品に描いたのが、本作品であるというのが僕の読後感です。

1973年(昭和48年)文庫版初版
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こちらはコミック版です。
文庫版は複雑な表現と場面移動が多いこともあり、絵で表現があるだけで理解し易くなります。

1994年(平成6年)初版
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ただ、この物語はあまりにもスケールが大きすぎます。
時間と空間のスケールが僕の感覚では追いつけない。

まずは原作を読み最後のところで迷子になり、しばらくして萩尾望都の漫画コミック版を読みました。

それでもまだそのスケールについてゆけない。
結局、読者だけでなく著者本人にとっても壮大すぎるテーマではなかったのか。