あの当時、この本は僕にとってのSFでした。
僕が14歳の時の本です。
あの頃は今のように欲しい本を自由に買える年ごろじゃなかった。
何度も何度も繰り返し読んでは、夜空を見上げていました。
小学校の卒業文集には『将来、宇宙飛行士になりたい』と書いてありました。
学力と体力が一流で、グルグル回っても気分が悪くならない体質で、さらには虫歯が無かったなら、今頃は宇宙ステーションで、綿アメの実験をしていたはずです。
本をめくると『新聞の切り抜き』が何枚も出てきました。(子供の頃の癖でした)
バイキングが火星に着陸し、撮影した火星の夕焼け。
テレビに映し出された赤茶けた火星
の風景が印象的でした。
裏に書いてあるメモは、51年9月10日の新聞記事でした。
実は、NASAが最初に公表した火星の写真が衝撃的で『赤い地表に、抜けるような青空』でした。
その写真はすぐにコンピューター処理の誤りだったということで『赤い地表に、赤い空』に差し替えられました。
あれは何だったのだろうか。
実はあの青空が本当の火星?
あの青空の下なら生活ができそうな気がしました。
火星には「フォボス」と「ダイモス」の二つの衛星があります。
これは、バイキングが撮影した火星の衛星「フォボス」です。
火星の衛星には面白い話があります。
あのガリバー旅行記に「火星には2個の小さな月がある」という話がでてきます。
ところが、天文学者アサフ・ホールが当時最新の望遠鏡を使い、火星の衛星を発見し「フォボスとダイモス」と名付ける150年も前に、この作品は発表されていたのです。
ガリバー旅行記で、火星の衛星を予言していた、という不思議な話です。
オリバーくんの来日(昭和51年)
チンパンジーと人間の間の『ジンバンジー』と騒がれ、テレビにも出演しました。
人間のように服を着て、酒タバコをたしなみ、人間の女性に恋をするという謎のジンパンジー。
遺伝子検査をしたところ、残念なことに普通のサルでした。
理論上の存在だったブラックホールを発見したという記事
この本は、宇宙やSF的な物語に興味を繋ぐ大切な一冊でした。