筒井康隆にとっての死の恐怖

筒井康隆は1934年(昭和9年)9月生まれなので、90歳なんですね。

「今年、父親が死に、次いで妻の父親が死に、母親が死に、弟まで死んだ。これで妻の母親が死ねば、いよいよ次はおれの番だ。」
とか、

「SF界では、広瀬正が死に、福島正美が死に、大伴昌司が死に、星新一が死に、光瀬龍が死んだ。しかしまだ小松左京がいる。半村良がいる。荒巻義雄がいる。他にも沢山いる。同い年だが眉村卓もいる。まだまだだ。」
(これは何年前の話だ。荒巻義雄以外はみんな亡くなってしまった。)

そして、「自分の死を考えると怖くて仕方がない。自分が「死ぬ」という時にはその場にいたくない。どこかに逃げだしたくなる。」
これは、随分若い頃からいっていました。

だれでもそりゃ、死にたくはない。
そう言いながら筒井先生は90歳ですか。一人勝ちではないですか。

ハンサムで、役者で作家でジャズクラリネット奏者で、タレントで、その上にIQ160越えと、天才の名を欲しいままに…

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昨年(2023年)は、最後の作品集『カーテンコール』を発売しました。
「これがわが最後の作品集になるだろう。」
「もう書きたいことはすべて書いた。」とも言っています。

幸せなことですね。
文学賞も沢山受賞し「最後の文豪」とまで称されて、長生きしただけのことはあります。

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星新一、小松左京、筒井康隆
この3人は日本のSFの黎明期に大活躍し、僕たちを楽しませてくれました。

先生は今でも死ぬのが怖いのだろうか。

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僕も60数年をあっという間に過ぎて、終着を覚悟する年代です。

「あと何年のうちに○○○をやるのだ。」と目標を決め、更に公言しないと、何故かどうしょうもない衝動が襲うことがあります。
だから、それをやり遂げるまでは死ねないんだと。

作家は作品を残すことがやるべきことです。どの作家も命より作品が大切だとの覚悟でいるのだと思います。

それじゃ、能力も才覚もない僕は何をすべきなのだろう。
とりあえず下手なblogを書いてお茶を濁していますけど。