著者名 小松左京
掲載作品集 小松左京ショートショート全集
1962年 「宇宙塵」掲載
「このごろ大分太ったようだね」と所長は、僕を見すえながらいった。「何キロになった?」…
名作は冒頭部分が秀逸だ。これは多くの文学作品に共通しています。
小説の良し悪しは長さではない。題材とその言わんとすることを読者に伝えるには、どの手法が適しているのかです。
短編より長編が評価され、「大作」扱いされるのは納得できません。
この「さんぷる1号」は所謂ショートショートのカテゴリーに属します。だから、軽くて、大衆むけで、子供騙しなのか。
そんな評価しかできない文学界だから、星新一は評価されず、毎年、評価されてデビューする直木賞や芥川賞受賞者が長続きせずに消えていきます。
この「さんぷる1号」を長編小説に書き直したからといって、小松左京の筆力であってもおもしろい作品にはなり得ない。
やはり短編だからこそ鋭く読者に突き刺さるものがあるんです。
普段、短編小説を読み慣れていると、長編小説にある枚数稼ぎ(原稿料稼ぎ)が目に付く作品があります。勿論、優れた長編小説にはそのような無駄はありません。
長編小説であれ超短編小説であれ、その評価のスタートラインは同じにして欲しいものですね。
主人公の男は、「身体壮健、特に胃腸に自信ある健啖家を望む」という募集広告と「食事付厚遇」という内容につられ、ある研究所に就職する。
所員はロンパリの所長とこの男だけ。
仕事は、毎日3食、合成食品の試食をつづけ味見を続けるというもの。
入社10ヶ月で52kgの体重が92kg、給料も申し分なく、合成食品の缶詰とはいえ美味な食事にありつける。
そして、とうとうその研究成果のサンプル携えて実験工場に向かわされる…

ショートショートの読書レビューほど厄介なものはありません。
ブログの理想の文字数を目指して書いていたら、ネタバレになってしまう。
いつの間にかその作品よりも字数の多い文章になってしまうこともある。
作品よりレビューが大作なんてそんなアホなことあるかい。
結局、何も書けやしないし、元来、レビューの必要なショートショートなど駄作以外の何ものでもない。
これが中・長編小説なら小学校の読書感想文よろしく、心象風景や登場人物の会話ややり取り、主人公の生い立ちから性格、社会的関わりから何から何まで書こうと思えば何でもかけるし、ネタバレなどに触れるまでもなく、それなりのレビューができあがります。
まぁ、それはそれとして、この超短編小説も傑作です。読んでみてください。読んだ方が良い。絶対読むべきだ。読まない理由がありますか。
ねぇ、なぜそんな顔をするんですか。僕を信じて、この顔に免じてお願いです。読みましょう。あぁ~なんて書けばいいんだぁ…よんでよ…



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