残像に口紅を

5.0

著者名  筒井康隆
出版年  1989年(平成元年)
発行   中央公論社
ジャンル 長編小説

筒井康隆50代半ばに書かれた実験的小説です。
元来、文字で表現する小説。その設定を根本から揺るがす「文字が徐々に消えていく小説世界の中で物語は進行する」
まず最初に世界から「あ」が消える。つまりこの小説の記述の中で「あ」のつく言葉は一度も登場しない。明日、ありがとう、愛、間、あーなんてこった…

想像するだけでけっこう辛い。三部構成の長編小説。いったいどうやって結末まで物語を綴るのか。著者はワープロの消えた文字のキーに画鋲を貼り付け押下できないようにして書き進めた。
書き上げた後、胃には3個の穴があいていたと言っていましたが正気の沙汰ではない。

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