百年前の二十世紀 横田順彌

横田順彌の登場です。
横田氏は日本SFの歴史研究に精通しており、自身は「ハチャハチャSF」と称される作品を残しています。

1994年刊行

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ここに取り上げた未来予測は、明治大正期に「百年後の日本はどのように様変わりするか」というアンケートを250名、各分野の著名人からとったその答えの一部です。
真面目な回答から不真面目なものまであったそうです。

【写真電話】
電話口には、話す相手の姿が映る電話ができる。
⇒著者は「テレビ電話のことだが、プライバシーの問題でまだ普及していない」と、本書で言っています(1994年当時)
それも今ではスマホの普及でいとも簡単な技術になった。1994年当時から技術はさらに進みました。

【薪や石炭がなくなり電気が変わって燃料になる】
→当たっています。

【蚊、蚤の絶滅】
絶滅はしていないけど、圧倒的に数が減った。

実は、この本にも星一(星新一の父)のSF小説「三十年後」が取り上げられていますので,前にこのブログで「三十年後」を取り上げた際、書き漏らしたことを書こうと思います。

ある日、後藤新平氏が不意に星製薬京橋店に現れた。店員に「バカにつける薬はあるか。」と質問した。店員は「もっか研究中でございます。」とていねいに答えた。
後藤は大いに感心し、各所で話題にしたという。

これがヒントとなりこの作品「三十年後」が出来上がったそうです。

(後藤新平)

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後藤新平は、医師、官僚、政治家という経歴があり、台湾統治を任された際、武力を用いず統治を行った。台湾に親日家が多いのは後藤の功績だそうです。

星一にとって後藤新平は、恩人であり友人でもありました。
改めて星一氏の人脈の豊富さに驚かされます。

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空中自由飛行(世界未来記口絵より)

100年後というサイクルは、人間にとってはとても長く遠い。ちょっと油断するとあっけなく死んでしまいますから、凡人にとって100年生きるのは至難の業といえます。
僕の父も93歳になりました。父にも「油断すると死ぬよ」と常日頃から言葉をかけています。ここまで来たら100歳まで生きて欲しい。年金は長く貰った方がとくだし、100歳になれば祝金が町から出るんです。長く生きてもらわなきゃ。

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