挿絵師たち

3.5

星新一担当のイラストレーターは、
真鍋博氏と和田誠氏。
絶対に欠かせない二人だったといいます。

新人の頃、他の画家に挿絵を依頼したところ、ネタばらし的な挿絵だったため、大変苦い思いをしたという経験があり、それからはこの二人が専属となっているそうです。

星氏は、イラストレーターが挿絵を作成する時間も考慮し、最低でも締切の4日前までには作品を仕上げて編集者に渡していたといいます。
その位挿絵を重要視していたし、二人を大切にしていました。
星氏が二人の挿絵に注文したことは「時代を感じさせるものは書かないこと」だけでした。

真鍋博氏は、1932年愛媛県の生まれ多摩美術大学を卒業しています。
抽象的で洗練された画風が特徴で、星新一の作品をはじめ、筒井康隆などS的な作品に多くのイラスト、挿絵を提供していました。
特に、星新一氏とは名コンビとして有名で多くの作品を描いています。その挿絵の数々から選び抜いた作品と星新一の小説の文章を抜き出し、一冊の本にまとめた「真鍋博のプラネタリューム」という本もあります。
2000年(平成12年)、星新一が亡くなった3年後、68歳でお亡くなりになりました。

和田誠氏は、1936年大阪府の生まれ。多摩美術大学を卒業しています。
星新一の作品挿絵や週間文春の表紙、丸谷才一、村上春樹の作品などを手がけていました。
他にも「快盗ルビー」「麻雀放浪記」などの映画監督という意外な一面もあります。
奥様はシャンソン歌手の平野レミさん、テレビでよく見かける料理研究家といったほうがなじみがあるかもしれません。
イラストレーター、映画監督、グラフィックデザイナー、音楽プロデューサーなど、とても多彩な方でした。
2019年(令和元年)、83歳でお亡くなりになりました。

僕個人としては、真鍋博氏のイラストが近未来的だったり、怪しげだったりしていて好きですね。和田誠氏のイラストは何となく子供向けに思えます。イラストで物語の印象も変わってくることもありますから。

いずれにしても、星新一の小説は、優秀なイラストレーターとの出会いでさらに素晴らしい作品に昇華していることは間違いないことでしょう。

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