著者名 星新一
出版年 1959年(昭和34年)
発行 新潮社
ジャンル 科学書
もくじ
・神、生命をつくりたもう
・生命は霊と物質の結合か
・人類の未来
・生命とロボット
など、興味深いタイトルが並びます。
星新一が、作家としてデビュー(1957年)した後、初めての本として出版された、少年向け科学解説書です。
生命について、歴史、進化論、生命現象の細かな部分、そして人類の未来まで、生命にまつわる事柄についてやさしく解き説明してくれています。
処女短編集「人造美人」の刊行が1961年ですから、本業のSF短編集を発行する2年前の星新一が、科学者という立場から書き上げた科学書ということになります。
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なぜ星新一がこのような本を書いたのか。確かに東大で科学を学んだ科学者ですけど…
でも本を読み進めると、いわゆる「科学者としてのSF作家の視点」がふんだんに見られ、文章も読みやすく、あぁ、これは科学書めいたエッセイなのだろうと僕は察したわけです。
そして、このオリジナルの表紙の中央には「少国民の科学」と書かれていました。そのようなシリーズ本の一冊だったのだろうか。
「少国民」を調べてみました。
この言葉は、大東亜戦争当時、「銃後に位置する子供」を指した言葉だそうです。
国民皆兵という言葉は聞き覚えがありましたが、つまり子供たちも兵隊だったんだと、今更ながら戦争の恐ろしさを思います。
その言葉が戦後もある時期まで使われていたんだという事実です。
僕は2000年発行の復刻版を所有しています。ただ、残念なことにオリジナル版にあったであろう写真や図が省かれています。
著作権上のことなど様々な理由があるとは思いますが残念なことです。



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