虚構船団 筒井康隆著 平成4年初版 新潮文庫

筒井康隆の最高傑作であり問題作でもある本書は、SFファンにとっては決して避けてはいけない作品であると同時に読むにはとても気力体力そして根気のいる作品です。
第一章の文房具のエピソードが僕は大好きです。でもこの作品と真正面から向き合うには、第二、第三章の困難な世界が待ち構えています。最後までたどり着いてこそ筒井作品の素晴らしさが分かります。
初期の筒井作品にありがちな、ドタバタナンセンスギャグの連発で、ぼーっと受け身的に読み進んでも楽しめる作品ではない。「自発的読書欲求力」を高めながら読まなければならなく、自身の読書力が試されてしまう作品です。
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