著者名 星新一
出版年 1991年(平成3年)
発行 新潮社
ジャンル エッセイ
島崎藤村の小説に「夜明け前」という作品があります。
幕末から明治にかけ世の中が目まぐるしく変化していくなか、時代に翻弄されつつも理想に向かうが、潰されて精神を冒されていく主人公を描いています。
星新一の「夜明けあと」はタイトルこそ酷似していますが、内容はまったく独自の構成になります。あたりまえです。
幕藩体制が崩壊し、まったく新しくなった日本社会。明治時代の新聞記事の切り抜きに世相の移り変わりを辿ります。
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テレビも週刊誌もなかった時代に新聞は娯楽性を持つ必要があった。
ただの事実の羅列、新聞記事などの興味深い出来事を時系列に並べただけの作品。そこに文明開化の世の中の変化が見えてきます。
*天皇、断髪なさる…
*夫は人力車…ある日、妻が人力車に乗ったら引く男が夫だった…代金は払ったという
*相撲の親方が、マゲを断髪にする。いずれは力士たちも…
さらには人生相談のコーナーを載せ、当時の夫婦の家庭での悩みなどから世相を垣間見ることもできる。
当時の人たちにとっの新聞記事は、現代のテレビのようなリアリティーをもって迎えられ、娯楽としての楽しみ方もあったのだろう。



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