著者名 星新一
掲載作品集 「妄想銀行」
道端で何気なく拾った鍵。
捨てるのも面倒なのでポケットにいれて家路につく。
数日後、ポケットの鍵に気づき、手にとって眺めているうちに気にかかり始め…
平凡な男が偶然手にした「鍵」、男の人生は静かに動き始める。
その鍵が入るべき鍵穴を探し続ける人生に…
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日本人の平均寿命は、女性87歳、男性は81歳ほどになると言います。そして高齢になり、病に伏してベットで過ごす期間がその1割ほど。
65歳で定年を迎え年金生活に入り「よし、これからは好きなことをして過ごすぞ。蓄えもしっかり用意した。おれはやりたいことを思う存分やり遂げるんだ…」と意気込んだところで、平均的な残りの人生は20年前後しかありません。
初老期に入ってからの20年というものは、本当に短いと僕は実感しています。
仕事に頼りっぱなしの人生を歩んできた自分に、やり遂げたい課題などみつかるはずもなく、なんとなく過ぎていってしまうしかない…
主人公は鍵穴探しの旅に出かけます。
生涯をかけて探し求めた鍵穴は…そして、年老いた男は最後の時を迎える…
人生のすべてを鍵穴探しに費やした男が、その終焉に出会ったものとは⋯
星新一全作品中の最高傑作、それは何かと問われれば、僕は迷わずこの作品をあげるだろう。
人は何のために生まれ、生きているのだろうか。
その仏教哲学的な問いかけにひとつの答えを示してくれました。


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