生誕100周年を記念し、星新一関係の書籍が出版されました。
そりゃ、星新一ほどの作家ともなれば、もっと大々的に出版なり、記念行事なりが行われるものだと思うのですが、権威主義の日本文壇やそれに追随する出版業界はこの程度なのだろうか。
星に届ける物語 星新一賞受賞者たち
出版年 2025年(平成7年)
出版 新潮文庫
ジャンル SF小説
2013年に創設された日経「星新一賞」の第1回から11回までの一般部門グランプリ作品を収録しています。
この星新一賞は、日本経済新聞社が主催する「理系的な発想に基づいたショートショート及び短編」を対象とした公募文学賞です。
理系的な発想というところが如何にも「星新一賞」らしいなと思います。
さらにユニークなのが「人工知能など人間以外からの応募」も可能な点です。
現在の人工知能レベルでは、まだまだ最初から小説を書く能力にはないため、人間が8割でAIが2割程度で,完全に作品を創作する能力は無いらしい。
何故か、すこし安心している自分がいます。
ショートショートなSF
出版年 2026年令和8年
発行 早川書房
ジャンル ショートショートほか
編集 日本SF作家クラブ
SF黎明期を共に支えた巨匠、筒井康隆を筆頭に、ベテランから新進気鋭まで50人の作家たちが、星新一が産み育てたショートショートを新しく現代の視点で紡いだアンソロジーです。
・筒井康隆「楽天ボウル」
・梶尾真治「ユミと私の宇宙論」
・新井素子「花粉症事始め」
・高井 信「豆か虫か」
・藤井青銅「ト〇〇○〇の日」
・江坂 遊「手つなぎ鉄道心中」
・太田忠司「襖の向こう」
ほか。
通販サイトのレビューをみると「SFと銘打ちながらSF要素が薄い。SFだからサイエンス、科学的なはずだが、まったく科学的でない作品が…」という感想があったが、日本SFや現代のSFを全く理解していないようです。
「SFだからサイエンスフィクションのはず」という思い込みはSF発祥のころの話です。
日本SFの黎明期、つまり星新一、小松左京、筒井康隆が競って書き上げていたものは、そんな狭義のSFではなく、もっと、もっと可能性の大きな文学的ジャンルとしてのSFでした。
【始まりは…】の項で書いた【SFの定義】をご覧ください。
日本のSFは黎明期からぶっ飛んでいました。
だからおもしろい。
参照:SFの定義
きまぐれカプセル 星新一著
出版年 2026年令和8年
発行 新潮文庫
ジャンル エッセイ集
こちら「きまぐれカプセル」は、書籍、文庫に「未収録のエッセイが91編と新たに見つかったショートショート3編」をまとめた生誕100周年記念作品集とあり、「えっ!まだ未発見作品があったの?」という驚き、垂涎の作品集とはこのことです。
今回は文庫本での出版ですが、単行本で欲しかったなぁ。これから100年先まで読まれる本の装丁にして欲しかったなぁ。
星新一のエッセイというのは文体のなせる技なのか、視点なのかとにかく魅力があります。
初期のエッセイから晩年まで収録されていますが、構成は発表年順ではなく、書かれている内容順になっており、自伝的エッセイ集として読めるところがおもしろい。
編者は、星新一の次女、星マリナ氏。
星新一亡き後、お父様の著作関係の著作権の扱いや、海外への翻訳活動、未発見の作品を掘り起こし、探しだして著作化する活動をしています。
お陰で、僕たちは没後30年を迎えてもまだ、新たな作品を楽しむことができるのです。
ありがたいことです。
これからも、このような作品を期待しています。


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